『ゾンビ屋れい子』レビュー
☆☆☆☆☆☆☆☆★★
星8/10
全11巻
隠れた名作『ゾンビ屋れい子』。
ヴィレバン好きな女子ならきっと全員好き(とてつもない偏見)
グロテスクさ、ホラー、ゾンビ、可愛い女の子、巨乳、インパクトのあるキャラクター、アクション、ギャグ、それに召喚能力。
どんだけ!?っていうくらい色んな要素を詰め込んだマンガ。それが『ゾンビ屋れい子』
要素が多すぎて、友達に勧めようにも、どのポイントから勧めればいいのかわからない。
しかも、結構頻繁に、登場人物が臓物出して、血反吐吐くから、気軽に誰にでも勧められない。
でも、ハマる人めちゃくちゃハマる(私はハマった)。そんなマンガ。
あらすじ
主人公の姫園れい子は、呪文を唱えれば死者をゾンビ化出来る特殊な能力を持っている。高校生活を送りながら、その能力を使って「ゾンビ屋」として働く。その特殊な能力ゆえに様々な事件に巻き込まれていく……
ポイント
そもそも、この漫画は「ホラーM」と言う、主に女子中高生をターゲットにした、ホラー漫画専門誌に乗っていた漫画である。そんなマニアックな漫画が当時から漫画好きの間で話題になり、映像化もされ。連載開始から20年ほど経った今でも、たくさんのレビューブログがあるほど、人気なのはなぜだろう。個人的な意見であるが、きっと作者の「好き!」がギュギュギュッと詰まっている漫画だからだと思う。
(服装のセンスからして好き。幼稚園生の女子が描いたお姫様ってこんな服着てるよね。)
そもそも、この漫画は三家元礼先生のデビュー連載作なのだが。デビュー連載でこんなに好き勝手やっている事が面白い。だって、HxHの冨樫先生の「てんで性悪キューピッド」とか見るとわかると思うけど、デビュー連載って怖々と、手探りで描いている作家さんが多い中、こんなに好き勝手やってるから、作者は実に豪胆というか、なんというか。もちろん、第1巻は少女向けに、スレンダーな女子高生を描いているけど、2巻目からはおっぱい!って感じになるからハッチャケ具合が最高。
しかも、作者がジョジョ好きなのか、ジョジョ風味を作品の随所にばら撒いていたり、色んなパロディやネタを入れていて、本当に好きな物を詰め込んでいるなぁ。という印象のある漫画。
そんな好き!を詰め込んでいるから、年齢性別を問わずに読者を惹きつけるんだろうと思う。
私が最初にこの漫画を見たのは小6の頃なのだが、この漫画が好きすぎて、主人公のれい子をいっぱいノートに書いたし。掌にれい子と同じ星のマークが付いたオリジナルキャラを量産してた。それくらい好きだった。
キャラクターがみんな、ぶっ飛んでいるのも印象的で。例えば、れい子が召喚できるゾンビがいるのだが、そのゾンビは生前に29人もの幼女を虐殺する人物だったり。人の腹を切り裂き、その人の腸を引っ張り出し口の中に入れて食べさせる人もいたし。れい子の姉なんて、ゾンビを使って世界征服をしようと試みる人物だったし。最高にクレイジーなキャラクターばっか。
ちなみに私の個人的にめっちゃ好きなキャラが、軍人の雪女っていうキャラなんだけど。その人上官に殺されかけたときに、自分の頭に懐中電灯を括り付けるという謎の奇行に走ったんだよね。
理屈じゃないクールさ。イかれてやがるぜ。
ストーリー自体も、〇〇編を数巻で描ききる構造になっていて、スピード感を持って読める漫画になっている。
作者が主人公の設定を作中で盛ったりするのって、マンネリの証だと思うのだが(主人公の前世とかっていうワードが使われたりすると、普通はマンネリの証じゃん?)この漫画では頻繁にそういう主人公の設定変更、が起こるのだが、舞台や登場人物がコロコロ変わるのでマンネリをあんまり感じなかった。
なんで人物がコロコロ変わるかって?そりゃあ死ぬからさ。もうバッタバッタ死ぬ。死にまくる。
あれ?れい子の親友こんなにあっさり死ぬの?みたいなくらいあっさり死ぬ。一コマで死ぬ。次のコマには死ぬ。老若男女、犬猫動物、みんな死ねばただの肉。皆死ぬ。血しぶきをあげて、内臓飛び散らせながら。死ぬ。
しかも、作者の画力もすごい。クセのある絵だけど、漫画として読みにくい事はないし。ホラー必須である美しさがしっかりとあるので、きちんとホラー作品として成り立っている。
そもそも、美人巨乳高校生とか、ゾンビとか、内臓とか、ギャグとか、バトルとか、一貫性のない物を詰め込んで、ちゃんと作品として成り立たせている時点ですごい。頭おかしい(褒め言葉)。
とりあえず、ネットで試し読みができるので、興味を持ったのなら、ぜひ一度、読んでみて欲しい。
何度でも読みたくなる中毒性のある作品なので、ゾンビ取りがゾンビになるが如く、れい子の魔法に掛かってみてくれ。