はいじの感想ノート

語彙力少なめの雑多なレビューブログ

『ワールドアパートメントホラー(漫画)』レビュー"WORLD APARTMENT HORROR"

☆☆☆☆☆☆★★★★

星6/10

 

[全1巻]

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なんというか......正直読んで、しばらくしたら忘れるんじゃないかな?っていう作品だ。悪くはなかったけどね。

 

あらすじ

ヤクザのヒデは、新しくビルが建て直されるため、あるアパートの中に滞在している不法就労者達の立ち退きを任された。しかし、ヒデは失踪、まったく立ち退きが進まないので、弟分の一太が立ち退きの仕事を肩代わりすることになる。

なかなか立ち退かない愉快な外国人達。なぜか起きる怪奇現象。国境を越えた愛。果たして立ち退きは成功するのか!?怪奇現象は一体なんなのか!?

他『お客様』『わいら』『JOYFULL BELL』を収録。

 

ポイント

好きなアニメ監督を検索している時に気になった作品だ。

原作があの『AKIRA』を作った大友克洋さんで、漫画を描いているのが『パプリカ』を作った今敏さんだ。

今敏さんも好きだし、大友克洋さんも好きだし、これは見なければ!と思い読んだ。

『ワールドアパートメントホラー』をメインにした、オカルトなショートストーリーを詰め込んだ漫画だ。

『ワールドアパートメントホラー』はもともと大友克洋さんが監督を務めた実写映画作品を漫画化したものだ。

正直、読んでみて、漫画も悪くはなかったが、実写映画でみてみたいかな?と思った。

漫画の作画は今敏さんが担当しているのだが、コマの割り方やカメラワークが動画っぽいな、と思った。もちろん漫画としてもきちんと機能している。だが、時間の操り方が映像っぽいな、と素人ながらなんとなく思った。

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登場するキャラクターはほとんどアジアの不法就労者で、なんちゅーか、強かに生きてんなぁ〜こういう人いるわ〜感が好き。

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個人的にはこの「かねかね」言ってるシャーマンのおっさんが地味に好きだったりする。

アニメーターだからめっちゃ絵が上手い。そこはもう安心してみてほしい。

でも、途中の『わいら』という日本の戦国時代を舞台にしたショートストーリーの登場人物の見分けがつかなかった...みんな落ち武者風のオッチャンだから、たぶんアニメとかでキャラクターの声がついたり色がついたらわかるんだろうけど...いま喋ってるの誰!?っていう感じだった...わしが能力不足なだけかもしれん。(『わいら』のあらすじは、戦国時代、自分を狙う義弟から逃げる武将、なぞの攻撃を受ける。その攻撃は妖怪「わいら」の仕業だというが?)

話はまぁ、つまらなくはないけど、途中の『お客様』とかはコンビニコミックスのホラーでみたことあるような話だな〜という感じだった。(『お客様』のあらすじは、安く一軒家を入手した家族、しかしそこは幽霊がいっぱい出る幽霊屋敷だった!)

ただ、『JOYFULL BELL』は後の今敏監督作品の『東京ゴッドファーザーズ』と被るようなところがあり、今敏の思想みたいなものがチラチラり見えるような作品だった。(『JOYFULL BELL』のあらすじは、サンタクロースのバイトをしている青年。バイトしている途中で迷子の少女と出会う。少女にほしいものを尋ねると「お父さんになってほしい」と言われ...?)

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今敏監督と大友克洋監督が好きな人は読んでみてはいかがだろうか?

ただ絶版になっている作品なので入手は困難かも?

『デジモンアドベンチャー』レビュー

☆☆☆☆☆☆★★★★

星6/10

 

[全54話] 

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私は子供の頃、中国に住んでいたのだが、私と同年代の中国の友達はみんな子供時代にこの作品を見ていて。カラオケでは作品の主題歌である「Butter-Fly」が歌ランキングの上位によくくるほど歌われていた。

友達がみんな「デジモンはいいぞ、最後はめちゃくちゃ泣いた。」と勧めるから見た。

結論から言うとストーリーはとても良かった。だが個人的に納得のいかないポイントも多かった。

 

あらすじ

サマーキャンプに来ていた主人公たちが、突然吹雪に逢い、祠で身を隠していると、謎の機械が降り注いできた。その機械に吸い込まれ、気づいたら違う世界に来ていた。その世界では「デジモン」と呼ばれる生物たちがおり。デジモンたちと主人公たちの冒険が始まる。

デジモンアドベンチャー - Wikipedia 詳しく書かれているいいwikiだ。

 

ポイント

話は面白い。キャラクターが物語を通して成長する様がきちんと描かれており、どのキャラクターにも、我々が子供時代に抱えたことのあるような悩みを抱えていて、共感できる子供も多かったはずだ。

一つ一つのエピソードもよく出来ており、出てくるモンスターの個性が生きている。

キャラクターも魅力的で。竹内順子さんが演じるゴマモンはパートナーのジョーをいつも励ましていてとっても可愛かったし。

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パソコンをいつもいじっている泉光子郎くんの、小学生とは思えないパソコンの活用法。それに、人と壁を作っていていつも敬語だが、堅物ではなくて柔軟な発想を持っているし。いつも冷静なのに、好きな事になるととことん周りが見えなくなる性格とか大好きだったし。

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なによりヤマトが可愛かった。もう、そりゃもうべらぼうに可愛かった。なんだ、あのキャラクターデザインの破壊力は。タンクトップとは実にけしからん、最高じゃないか。いつもはクールなのに、みんなのためを思って怒るところとか最高に熱い男だし。辛くなると奏でるハーモニカの音色は、どこか哀愁を感じさせて、私の胸のときめきが止まらなかったし。弟に対して過保護なところもいいし。もう最高。ほんと最高。ありがとう。

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好きなところはいっぱいあった作品だが、作品の設定の根底がどうしてもイマイチ好きになれなかったのだ。

ポケモンと同じように違う生物と戦う物語なのだが。ポケモンは自分がポケモンを捕獲して戦うのに対し、この作品では一人の選ばれし子供に対し一匹の選ばれしデジモンが一緒に戦う設定になっている。

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ポケモンは確かに主人公の仲間ではあるが、共に戦うといってもあくまでも戦闘中は人間が命令する側でポケモンが攻撃する側だ。

でも、デジモンでは一緒に戦う、と言いながらも結局攻撃をするのはデジモンだし、怪我をするのもデジモンだ。対等な関係、と言いながら妙な主従関係があるような気がしてならないのだ。

それに、ポケモンはたとえ持ち主が違っても、野良だったとしても、進化できるのに対し。デジモンは主人公たちがいて初めて進化できる、という設定になっている。

ポケモンの設定だと自然界でポケモンがどう生息しているのか、というのが想像できるのだが。デジモンでは、他の進化系のデジモンは人間がいないのにどうやって進化したのかまったくわからない。

そのデジモンの設定に対する個人的な「納得いたしかねる」点がどうしても好きになれなくて、デジモンアドベンチャーの続編を見ていない。(もし続編が面白ければ是非教えて欲しい。)

だがOP、EDはどれも名曲なのでぜひ聞いてみて欲しい。心がウキウキする曲ばかりだ。

『どうぶつの国』レビュー

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

星9/10

 

[全14巻]

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個人的には星10の作品なのだが、クセのある描写が多いので、見る人を選ぶ作品になるかもしれない。

でも、すっごく面白い。同じ作者の『金色のガッシュベル』を見て、好きだった人はぜひ読んでみてほしい。私はガッシュベルよりもこの『どうぶつの国』の方が作者の描きたいことを感じた。

 

あらすじ

どうぶつの国、という人間以外の動物しか住まない所に、人間の赤ん坊(名をタロウザという)が突然現れ、タヌキに引き取られて育つ。成長していく過程で様々な出来事に逢い、肉食と草食の共存する術を探り、共存を反対する敵と戦う。

どうぶつの国 - Wikipedia wikiもどうぞ。

 

オススメポイント

 まず、物語がダラダラ長くなく、14巻で完結している。

この作品の前の『金色のガッシュ!!』では、どうやら作者と編集との間に色々いざこざがあったらしく。(作者が怒って机を叩き骨折した、などの逸話もあるので、きになる方は検索してみてほしい。)不本意な作品展開を強いられていたらしい。確かに、ガッシュベルの最後の方は ダラダラと引き延ばされていた感があった。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51f4KB%2BOH9L._SX320_BO1,204,203,200_.jpgガッシュベルも面白かってけどね!

だから、彼は今作では恐らくやりたい事、描きたいことをきちんと出していたのではないだろうか。

この作品は少年向けだが、ちょっと考えさせられることがテーマになっており、動物を食べる、とはどういう事か、を私たちに問いかけている作品だ。

この物語に出てくる動物は、我々の知っている動物よりも進化していて、自分たちのコミュニティを持ち、会話ができる高度な生物だ。

この作品に出てくるヒトは、みんなすべての生物の言語がわかる設定になっている。だが、他の動物は自分たちの言語はわかるけど、他の生物の言語が理解できない。

言語が理解できないからこそ、肉食獣は普通に他の生物を食べるのだが、言語が理解できるようになった時、果たして生物はどう行動するのか。

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肉食の事について書かれているわけだが、決して肉食批判をしているわけではなく、生きる上で、食べる、という行為について考えさせられる作品になっている。

色んな形態を持つ者の違い、そして、その共存のあり方について考えるきっかけをあたえてくれる作品になっている。

この作品は、最初の一巻と最後の一巻では全然違う要素の物語となっている。最初の一巻はタヌキの子育てだし、途中では共存への模索を頑張るし、最後は戦いでバトルをするし。違う感じのピースだが、全部欠かせない作品のピースなので、読むならぜひ最後まで読んでほしい作品だ。

どうぶつの国』はあまり発行部数が芳しくなかったらしい。肉食草食などのちょっと重い話が売れ行きに影響したのではないか、と思うが、本当に素晴らしい作品なのでぜひ読んでみてほしい。

『幽☆遊☆白書』レビュー

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

星9/10

 

[全19巻]

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最初に明言しておこう、確かに傑作である、と。

点数はつけ間違えてない。白書大好きの皆様、ちょっと待ってくれ、話を最後まで聞いてくれ。

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あらすじ

ある日、道路に飛び出した少年を助けた不良少年の浦飯幽助が車にぶつかり、えんま様の計らいで幽霊になり、人助けをすることで生き返った。

生き返ったら霊能力が身につき、人間界で悪さをする妖怪たちをハントする霊界探偵となり、仲間とともに妖怪を退治していく...

幽☆遊☆白書 - Wikipedia wikiもなかなか裏話などの見応えがあるので、興味があったらちょっと覗いてみてほしい。

 

オススメポイント

アニメはあまり見ていないので、漫画ベースで感想を書いていく。アニメもなかなか原作に忠実だったし、声優も豪華なので、興味がある人は是非どうぞ。

さて、あらすじを書いたわけだが、全然粗筋を書けていないあらすじになってしまった。

物語の冒頭は粗筋で書いた通りの話しで、正直幽霊として人助けをしていただけなら数巻で打ち切られていたのではないか、というくらい平凡な少年漫画だ。

だが、幽霊ハンターになり、魅力的な仲間が加わるようになり、垂金のようなデロデロな金持ちが出てきたあたりから、今の冨樫に通じる冨樫節を感じ始める。

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正直、個人的には最後の何巻かが好きで、読み進めていけばいくほど好きな漫画になっていった。

普通、人になにかを勧める時は「ちょっと見てみて!最初が気に入ったら全部みて!」と勧めるものだが、私がこの作品を人に勧めるなら「最後まで読んで!最後が最高だから!!!」としかオススメできない、ちょっと人に勧めづらい作品だ。

でも、本当に、終盤の魔界で修行する飛影のあのプレゼントが最高に好きなのだよ!!!(ネタバレになるから詳しくは語れないが、理解してくれる人はたくさんいると思う)

漫画から冨樫の成長、みたいなものを読み取れる作品なので、レベルEやハンターxハンターが好きなら是非一度見てほしい。終盤に向かって磨きがかかっていく冨樫っぷりがとってもよい。それに、トーナメントが嫌いで適当に書いている感とかがやばい。気に入らない試合とか適当にパパパーッて飛ばしている感じとか、もう大好き。

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それに、メインキャラクターの蔵馬(上画像の右上の赤髪の人(cv.緒方恵美))と飛影(左下の黒髪。邪眼を持ち、腕に龍を封印している。厨二病殺し。)の両名が女性人気が非常に高く。この作品で性癖が歪んだり形成された人は大勢いるはずだ。

個人的には千葉繁さんの演じた桑原(画面左上)がとっても好きだった。

さらに、主人公と幼馴染の甘酸っぱい青春ラブコメディもなかなか作品のいいスパイスとして効いている。

敵キャラも魅力的で、敵はみんな大体クソサイコパス。有名な戸愚呂兄弟の弟の方はわりとまともだ。

f:id:umitsukahaiji:20180211085004j:plain見た目がまともかどうかは別の話。

敵も、味方も、みんなどこかちょっと色気があって、すごく最高である。正直全員について語れるが、語ったら八千字くらい軽く超えそうだからやめておく。見てくれ。ハンターかレベルEが好きなら是非見てくれ。

最後までみてみてくれ...!!!

『バービーの王女と村娘』レビュー

☆☆☆☆☆☆☆★★★

星7/10

 

バービーって知っているだろうか?

みんなおそらくバービーというとバービー人形を思い出すのではなかろうか?

しかし、バービーにはバービー映画が存在しているのをご存知だろうか?

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バービー映画はCGで作られたアニメ映画なのだが、少し動きが硬い。

バービー人形自身も可動域が少なく硬い人形なのだから、ある意味とても現実に忠実だと言えるだろう。

まさに、少女向けのアニメミュージカル映画なのだが、その中でも私がイチオシなのがこの『バービーの王女と村娘』なのだ。

この映画はかなり人気だったらしく、最近にも『バービー プリンセス&ポップスター』が作り直された。

ストーリーはかなり違うが、『村娘』の楽曲がかなり素敵だったので、『ポップスター』の方でもアレンジは加えられているがつかわれている。

この映画は色々バービー映画を見てきた私の中で一番のバービー映画だと思う。

バービー!っていう感じの見た目に、キラキラとした雰囲気ではあるが、ゴテゴテしすぎないキャラクターデザインがすごく素敵だ。

正直KEN dollはそんなに好きではないのだが、この映画の中の王子はなかなかかっこいいと思う。

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あらすじ

 

昔々のとある国、プリンセス・アナリースと村娘エリカの2人は瓜二つ。ある日2人は偶然出会いお互いそっくりで驚くがすぐに仲良くなる。 アナリースは他王国ドミニック国王と結婚する予定になっていたがアナリースは家庭教師のジュリアンのことが好きだった。 そんな時、女王の側近のプレミンガーはアナリースと結婚し王国を乗っ取ろうと計画し、アナリースを誘拐し監禁してしまう。 家庭教師のジュリアンはアナリースを探す間、このことがドミニック国王にばれないように、エリカにプリンセスの変わりになるように頼むのだった。 

https://ja.wikipedia.org/wiki/バービーの王女と村娘 より引用。

 

オススメポイント

まず、劇中歌がとってもいい。ミュージカル映画だから要所要所に歌がちりばめられており、今作ではダブルヒロインが活躍するので、そのダブルヒロインの性格にあった歌声が魅力の一つだろう。

www.youtube.com

www.youtube.com 日本語もあるよ!

村娘のエリカがお姫様になるためのレッスンの曲もキャッチーでオススメだ。

www.youtube.com

www.youtube.com 王女とポップスターではポップ風にアレンジされているが、個人的にはやはり村娘の方が好きだ。

上の映像を見てもらったら分かる通り、CG技術は決して高くない。

2004年に作られた映画だし、と納得した上で見てほしい。

でもストーリー自体は少女ゴコロをくすぐるものだ。

子供の頃一度はお姫様に憧れていた、という人なら是非見てみてほしい。

お姫様と入れ替わる村娘、というのはやはり憧れるものだ。

そして、オシャレ好きなバービーの通り、お姫様のクローゼットは服でいっぱいだし、お姫様のお城での生活は優雅で実に美しいものだ。

それに、欠かせないラブストーリーもきちんと描かれている。

子供の頃の私の夢が全部詰まってるやん!!!

という感じの映画だ。

もちろん大人になった今見たら突っ込もうと思えばツッコミポイントはいくらでも見つかるわけだが、細かいことは気にせず、少女に戻って、あはは!バービーっていいな!という気持ちで見るととってもいい映画だ。

乙女チックなものが大好きで、考えるのに疲れたあなた、よかったら一度見てみてはいかがだろうか?

きゅんきゅんすること間違いなしですぞ!